第13回 MRのプレゼンテーション力は才能だけではない理由
医療者であれば誰でも、MRによる薬や疾患の説明会を聞いたことがありますよね。
人によって上手、下手があると思いますが、「やっぱりMRは、プレゼンが上手だな~」と感じること、多くないですか?
今回はプレゼンテーション(プレゼン)がテーマです。
なぜなら、薬剤師の立場でもプレゼンをする機会がどんどん増えているからです。
今、全国各地で多職種連携の会が開催されていると思います。そのような中、こんな経験はありませんか?
「薬剤師さん、今度、くすりのことについて勉強会してくださいよ!!」
実際、私も依頼されることが増えています。あなたもいつなんどき依頼されるかわかりません。
その時、依頼に快諾できるほどプレゼンに自信はあるでしょうか?
先日、私が主催する「独立開局成功塾」という薬局経営を教える塾中で、事業プレゼン大会を開催しました。
プレゼン大会を催した理由は、事業内容はさることながら、「自分たちの考えをアウトプットする」という力を引き出したかったからなのです。
プレゼン大会の参加者は、薬剤師資格のある経営者・勤務薬剤師・MRと、立場は異なる11名のメンバーでした。
そしてプレゼン力を採点してみると、とても面白い結果がでました。
なんと、上位3人みんなMR(MR経験者含む)だったのです。
この結果には私自身も驚きました。こんなにもわかりやすく相関性があるとは思ってもみなかったからです。
1対1で個人的に話すと、魅力的な話をする方は他にももっといます。それが1対多数へのプレゼンとなると、このような結果になったのです。
なぜMRが高いプレゼン力をもっているでしょうか。それは単に才能だけではありません。
私は自分のMR時代を振り返って、薬剤師の業務との違いを探してみました。
その中で特に大きいと思ったのは、MRが圧倒的に「大勢の前で話す」という場数を踏んでいるということです。
MRは日々、様々なシチュエーションでプレゼンの機会があります。
・薬局を含む医療機関で緊張感のある中、説明会をする。
・卸の朝礼で、決められた短い時間を守って説明をする。
・社内会議で成果を報告する。
少なくても週に1回はプレゼンをする機会があるでしょう。細かく数えると、週に10回以上の人もいるかもしれません。始めは苦手意識を持っているMRも、緊張する場を何度も経験することで、心の余裕が大きくなっていくのです。
MRと薬剤師では仕事の内容に大きな違いもありますが、「相手に伝えることの大切さ」という点においては、両者は同じスキルを必要とすると私は思います。特に、これからの薬剤師はアウトプット力が必須の時代になってきます。今後は普段から多くの人前で話すスキルも持たなければいけません。
だからこそ、薬剤師である私たちはMRが得意とするプレゼン力から学ぶことがたくさんあると思います。
プレゼンテーションの語源は「プレゼント」。相手へのプレゼントです。
相手に「情報」という名のプレゼントを上手く渡せるように、普段接するMRからプレゼンスキルのノウハウを学び、自身の成長につなげたいものです。
・第13回 MRのプレゼンテーション力は才能だけではない理由(上述)
・第11回 MRにゲンバで使いやすい患者指導せんを希望してますか?
・第10回 薬剤師の皆さま!「医療者目線のMR活動」を感じていますか?
・第5回 デキルMRは◯◯な行動をしている!!(デキルMRシリーズ後編)
・第4回 デキルMRは○○が早い!!(デキルMRシリーズ前編)
■加納 裕介(MRファーマシスト)
プロフィール
2002年 大阪薬科大学卒
三共株式会社入社(現第一三共株式会社)MRとして勤務
2010年 いちえ薬局 管理薬剤師
2015年 株式会社ケイファーマ 代表取締役就任
現在は薬局経営とともに
WEB事業、執筆活動も取り組む。
全国のMR経験薬剤師が作る転職応援サイト
MRファーマシストを運営中
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コーポレートサイト: http://k-pharma.co.jp/
MRファーマシスト: http://k-pharma.co.jp/mr-pharmacist/
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