第8回 MRとはこんなテーマが協働しやすい
第8回目のコラムは、MRとの協働をテーマに取り上げようと思います。
第6回目のMRの「情報力」は打ち出の小槌にも書きましたが、MRは担当地域内の医療機関に対して、情報交換の仲介を担ってくれる、とても頼もしい味方です。
でも、もしかすると「MRと協働したことがないので、具体的なイメージが湧かない」という方もいらっしゃるかもしれませんね。そんなあなたに、私が今までに経験したMRとの協働の実例を紹介します。
その1
ある新薬の納入実績を元に、MRが来局しました。
MR「〇〇の処方がありましたか?」
ここまではよくある風景だと思います。大事なのはその次です。
「どのような服薬指導をされていますか?」
なぜ、そんな事を知りたいのでしょう。
MRは、その薬が薬剤師によってどのようにフォローされているかを確認したいのです。
医師は処方を出したあと、自分の患者が薬剤師にどうフォローされているか確認する術があまりありません。
お互い多忙の中、交流の場を作るのもなかなか困難です。
そんな時、仲介役を担ってくれるのがMRなのです。
薬剤師の服薬指導の様子を、MRを通じて処方医が知ることが出来れば、処方医は安心してまたその新薬を処方しようという気持ちをもってくれます。
この様な連携の中で、自然と医師・薬剤師・MR三者に信頼関係が生まれれば、これ以上のことはありません。
ちなみに、その薬剤は「てんかん」に使われる薬だったのですが、疾患にまつわる情報も依頼したところ、後日、ポイントをまとめて資料を持ってきてくれました。
薬剤師の困りごとに寄り添い、対応してくれるMRの姿勢は、とても頼もしく感じました。
その2
ジェネリック推進でも、MRとの協働は可能です。
薬局薬剤師の大きな役割に、ジェネリック使用促進がありますよね。
その中で「一般名処方」が増えることは重要なことです。
私も経験しますが、メインの応需先でない処方せんを初めて受けた時でも、一般名処方であれば在庫がある場合も多く、調剤対応がスムーズにいきます。
そういった意味でも一般名処方が増えることは、薬剤師にとってありがたいことです。
一般名処方の推進には、ジェネリックメーカーMRにも大きな役割が期待されます。
一般名処方は増えているとはいえ、医師によってはジェネリックへの不信感などから、処方せんに変更不可のチェックが入っていることもあります。
医師のこだわりを変えることは容易なことではありませんが、最近は医師へ訪問するジェネリックメーカーMRも増えていて、ジェネリック普及に励んでいます。
今後は薬剤師とMRが協働して、少しでもジェネリックに対する医師の不信感を払拭していくことが必要だと思います。
いかがでしたでしょうか?
他にも多くの協働があるはずです。
MRとの協働活動を起こすには、始めは勇気がいるかもしれません。
しかし、一歩を踏み出せば、きっと普段の薬剤師業務がより良いものに変わるはずです。
薬を取り巻く環境は、適正使用や安全性という観点からも、世間から益々厳しい目が向けられていきそうです。
MRとの協働関係を深めて、より質の高い薬の専門家を目指していきましょう。
■加納 裕介(MRファーマシスト)
プロフィール
2002年 大阪薬科大学卒
三共株式会社入社(現第一三共株式会社)MRとして勤務
2010年 いちえ薬局 管理薬剤師
2015年 株式会社ケイファーマ 代表取締役就任
現在は薬局経営とともに
WEB事業、執筆活動も取り組む。
全国のMR経験薬剤師が作る転職応援サイト
MRファーマシストを運営中
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コーポレートサイト: http://k-pharma.co.jp/
MRファーマシスト: http://k-pharma.co.jp/mr-pharmacist/
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