薬剤師調査MMPR

Report : デキる管理薬剤師ラボ

掲載日:2017/01/20

デキる管理薬剤師への道(28) 業界ニュースコラム(13)

次回報酬改定に向けて

~診療・介護報酬ダブル改定議論のキックオフ~


昨年の薬局業界の振り返ってみると、一番のイベントは2016年度診療報酬改定であったと感じます。
「調剤基本料の特例要件の拡大」、「基準調剤加算施設基準要件の厳格化」、そして「かかりつけ薬剤師指導料の新設」など、これまで以上に変化を求められた報酬改定であったと感じます。
これまでの薬局運営方針を見つめ直すきっかけとなった企業は少なくは無いでしょう。
多くの薬局において収益的にインパクトがあった項目はおそらく『基準調剤加算』で、薬局経営者から「新たに在宅患者を獲得するにはどうすればよいか」、「人員の確保・調整をどのように図ればよいか」等、基準調剤加算を取るための対応についての相談が非常に多かったように感じます。
現在はまだまだ勤務経験年数といった、対応に時間を要する内容はありながらも、ようやく落ち着いてきたというところでしょうか。


 2016年度診療報酬改定の対応がようやく落ち着いたと思っても安心はできません。
1年先を見ると、2018年度改定が迫っているという状況です。
2018年度改定は通常の診療報酬改定ではなく、介護報酬改定と同時に行われるため、これまで以上の変化は大いにありえます。
プラスに働く変化であればよいですが、現状における見通しはあまりよろしくはない状況です。
その一番の根拠としては、国の財政状況です。


 日本では高齢化が加速しているため、このままでは社会保障費が年々増加することになるのは明らかです。
そのため、政府方針である「骨太の方針」において、2018年までの3年間における社会保障費増を1.5兆円を目安としております。
つまり単年度あたりで考えると、5,000億円増までに抑えるということになりますが、これが非常に苦労するところです。
2016年度診療報酬改定においても、本体プラス改定にはなりましたが、「外枠」として位置づけられた制度改革事項のマイナス分を加味すると、実質マイナス改定とすることでようやく抑えたほどです。
それだけで留まらず、2017年度(平成29年度)においても同じく、5,000億円増に抑えるために、「オプジーボ」を始めとした市場が一定規模以上拡大した医薬品の薬価を引き下げや、70歳以上の高額療養費制度の見直し等により、5,000億円までに抑え込みました。結果的には、厚生労働省2017年度予算案は下図のように決着しております。





 個人的に2017年度予算は、診療報酬改定が無いため当初の骨太の方針通りには進まないだろうと予想しておりました。
しかし、最終的には政府主導でやりきったという結果です。
おまけつきに、薬価制度の抜本改革として、市場が一定規模以上拡大した医薬品に関しては年4回の見直しを図るといった方針等も、 4大臣(厚労相・財務相・経済財政政策担当相・官房長官)の合意で進められています。
このような点からも、政府が骨太の方針に示されている削減額はなんとしても達成しようという姿勢が見受けられます。
となると、次回ダブル改定においては、表面的にはどうなるかはさておき、実質的には「マイナス改定」となるのは避けられないのではと感じます。
昨年10月末の財政制度審議会財政制度分科会で示された調剤報酬改定案、いわゆる「財務省案」で薬局の経営者は戦々恐々となりましたが、そう遠くない未来で実現される可能性もあるのではとも感じます。


 では、今できることは何か。
私は「当たり前」のことを、まずはやりきることが一番であると考えております。
ここでの「当たり前」は昨年10月に発表された「患者のための薬局ビジョン」にて書かれている姿です。
それが報酬上の単価獲得につながり、結果として患者数増に繋がる取組みであるからです。
在宅等、今すぐに取り組めないことがあっても、取り組めるようにするために、今から準備することは何か、計画を持って動くことが必要でしょう。



 (株式会社ネグジット総研 経営コンサルティング部 津留隆幸)

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