薬剤師調査MMPR

Report : デキる管理薬剤師ラボ

掲載日:2016/10/20

デキる管理薬剤師への道(26) 業界ニュースコラム(11)

財政制度審議会 2017年度予算編成に向けた議論がスタート


9月7日、財政制度審議会・財政制度分科会が開かれ、2017年度予算編成に向けた議論がスタートしました。

骨太の方針2015において、社会保障費の伸びを3年間で1.5兆円程度に抑制する方針が示されております。

つまり、平均すると単年で5,000億程度に抑えることが求められております。

そのため、2016年度予算は診療報酬・薬価改定における予算削減の甲斐もあり、なんとか「実質4,997億円増」まで抑え込むことができたといった経緯がありました。

ただ、2017年度予算においては、どうするのかという点が疑問に残ります。

 既に厚生労働省より、2017年度予算の概算要求がされており、高齢化等に伴う増加額として、6,400億円を概算要求されております。

この時点で方針で示されている5,000億円増程度に抑える方針から、1,400億円ほどオーバーしていることになります。

2017年度にいては、診療報酬・薬価改定が無いため、予算削減する王道施策がない状況です。

そのため、財務省はどのような策を打ち出すのかが気になるところです。

何も策を打ち出さず、2018年度に先送りをすることになれば、次回の診療報酬改定においては、悲惨な状況になるのは火を見るより明らかです。

前回改定でさえ、5,000億増の枠に抑え込むために、ハーボニー等の高額薬剤における特例拡大再算定等、外枠の削減項目で苦し紛れで抑え込んだ訳で、今回オーバーしている分を先送りすると、このままでは実質2年分の予算削減額を2018年度改定で余儀なくされるということになります。


 財務省としては、「3年間で1.5兆円増」に抑えることは確実に達成したい考えで、今回の財政制度分科会にて、改革の方向性がいくつか示されております。

詳細については下図の改革項目の一覧表をご覧ください。



 特に気になる項目を挙げると、「①高額療養費の見直し」「⑥後期高齢者の保険料軽減特例の見直し」「⑦高額薬剤の薬価等のあり方(当面の対応)」です。

「①高額療養費の見直し」について、高額療養費とは医療費の自己負担限度額を超えた場合、払い戻しされる制度ですが、70歳以上の高齢者においては、同じ所得区分であっても現役世代に比べ低い自己負担限度額になっているという問題があります。

同じ高齢者に関する対応として、 「⑥後期高齢者の保険料軽減特例の見直し」が挙げられております。

後期高齢者医療制度において、低所得者に対して均等割を最大で7割軽減する仕組みがあります。

この制度導入の際に、激変緩和の観点から、更なる軽減(最大9割)を予算措置(全額国費)で導入しており、それが現在まで9年間継続しているという状況が問題視されております。

これら2つの高齢者に対する優遇施策を、「速やかに」と対応する方向性を示されております。

高齢者の負担が増えることで、受診控えに繋がることが懸念されます。

つまり、処方せん枚数が減る可能性も捨てきれないということです。

そして、 「⑦高額薬剤の薬価等のあり方(当面の対応)」について言及しますと、具体的に議論に及んでいるのは、「オプジーボ」です。

前述したように、2016年度の薬価改定においてハーボニー等が特例拡大再算定として薬価の引き下げ措置がありましたが、「オプジーボ」も当初の市場予測を越えた販売額である事が予想され、特例で薬価引き下げを行う方向性で検討されております。

中医協・薬価専門部会では、あくまでも緊急的な対応として、薬価調査は行わない方向性とのことです。


 このように、行政は財務省を中心に財政健全化に向けて動いております。

最終的な着地点はこれからの議論の状況によって、変わる可能性はありますので、今後の会議の動向が気になるところです。

 (株式会社ネグジット総研 経営コンサルティング部 津留隆幸)

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