薬剤師調査MMPR

Report : デキる管理薬剤師ラボ

掲載日:2016/08/24

デキる管理薬剤師への道(24) 業界ニュースコラム(9)

薬局にとって今一番の課題は何か?

「薬局にとって今一番の課題は何か?」。

今でしたら、「健康サポート薬局の届出を出すこと」と答える方が多いかもしれません。

この問いかけは100人聞けば、100通りの答えが返ってきそうな内容ですが、私でしたら「患者がメリットを感じていただくための『患者のための薬局ビジョン』を実現すること」と答えます。

薬局は医療提供機関ですが、本質的には小売業やサービス業です。

来局いただいた患者に対して、この薬局・薬剤師で良かったと思われるような満足感(メリット)を得て帰ってもらうことが重要です。

ただ、現実にはこの満足感を得て帰っていただくことが非常に難しい環境であるのも事実です。

患者からすると、同じ処方せんを持って行けば、どの薬局・薬剤師でも基本的には同じ価格で同じモノ(薬)が手に入ります。

そもそもの薬局へのサービス期待レベルが低いため、満足感を与えるプラスの要素を見出しにくいところでしょう。

以下のデータは、昨年3月に実施された規制改革会議公開ディスカッションにて紹介された患者への医薬分業に関するアンケート調査結果です。



<医薬分業に関するアンケート概要>

○調査対象:15歳以上の一般の方(男性499名、女性537名、計1036名)

○調査日:2015年2月27日(金)~2015年3月1日(日)

○調査方法:インターネット調査

○調査実施機関:内閣府の委託を受け、株式会社マクロミルが実施

(2015年3月12日 内閣府規制改革会議公開ディスカッション「医薬分業における規制の見直し」より抜粋)



このデータから、半数超以上の方が医薬分業の必要性を感じていないということが読み取れます。

このような結果になっている背景は様々あると思いますが、私はそもそも薬局・薬剤師が何を行っているのか、患者視点からはあまり見えていないからこそ、上記のような結果が現れるのではと考えています。

何をやっているか見えてなければ、手間もお金も増えるだけで必要ないという声が出てくるのは当たり前の話でしょう。

この状況を変える方向性が「かかりつけ薬剤師」「健康サポート薬局」として政府の思惑としてあるのではないかと考えています。

これらのサービスを提供する中で、患者と薬剤師の距離を狭めることができます。

結果として、患者が薬局・薬剤師がどのようなサービスをしているのか理解し、メリットを体感してもらうということを狙っているのではと感じます。

そのため、サービスを提供してもメリットを体感してもらえなければ本末転倒です。

「かかりつけ薬剤師指導料」は顕著な例です。

この点数を躍起になってすべて患者から算定しようと動いている薬局があるかもしれませんが、すべての患者がこのサービスを享受することでメリットに感じるかというと、いささか疑問に感じます。

もちろん、薬剤師に気軽に薬の相談ができるようになりたいという患者はいるでしょうが、薬を早くもらえれば良いという患者のニーズもあるわけで、ひとくくりに薬剤師の関わり度合いを高めれば良いという訳ではありません。

中にはデメリットに感じる方も出てくる可能性があります。

対応としては、ある程度医療提供側から薬剤師の関わり度合いを高めた方がメリットに繋がるという対象患者像を設定し、アプローチする必要があるでしょう。

本来であれば、政府主導で対象患者像を設定し、算定用件に盛り込むべきものであると思いますが、現状決まっている制度の中で動いていくしかないので、薬局が対象患者を見出すしかありません。

結局のところ、政府の方針や各種制度に基づいて、どのように動くかは薬局次第です。

どの患者がかかりつけ薬剤師サービスにメリットを感じてもらえるかは、案内してみないとわからないということもありますから、一度すべての患者に声をかける方法はやり方の1つですし、前述したようにメリットを感じていただけそうな患者を選定し声をかけていくこともやり方の1つです。

ただ、このサービスの成り立ちは、患者にとってメリットを感じて頂けるかどうかということを忘れずに進めること必要でしょう。

これは「かかりつけ薬剤師」サービスだけでなく、「健康サポート薬局」においても同じです。

ともに、薬剤師がどのようなサービスを提供し、どのような効果が得られるかをそれぞれが考え、そして患者に対して積極的に伝えていくこと、これが地道ですが着実にメリットを感じて頂ける近道でもあると感じます。

 (株式会社ネグジット総研 経営コンサルティング部 津留隆幸)

アンケートモニタのご登録は こちら よりお願い致します。