患者のための薬局ビジョン 発表される!
年内に発表される予定でありました「患者のための薬局ビジョン」が、厚生労働省HPより発表されました。
診療報酬改定の際に、施設基準などに本ビジョンの内容が一部盛り込まれる可能性があります。
以下、発表資料の概要資料より内容をピックアップいたします。
●門前から機能へ
薬局再編を図る上で、門前を中心とした立地から、かかりつけや健康サポート等の機能へとシフトする意向を示されています。
2025年までに、『すべての薬局を「かかりつけ薬局」へ』と掲げており、かかりつけ薬局の具体的な機能として、
○ ICTを活用し、服薬情報の一元的・継続的把握
○ 24時間対応・在宅対応
○ 医療機関をはじめとする関係機関との連携
とされております。
●KPIを活用したPDCAサイクルの実施
以下の数値を例示しながら政策評価(業績評価)を図る方針が示されました。
例)
○ かかりつけ薬剤師・薬局の数
○ 疑義照会の実施率、件数
○ 24時間対応、在宅対応(医療保険・介護保険)の実施率、件数
○ 残薬解消の実施率、件数
○ 後発医薬品の使用割合への影響
政策評価結果は、診療報酬改定の際に活用される見込みです。
●ICTを活用した服薬情報の一元的・継続的把握
電子版お薬手帳の普及のための方策が示されています。
異なるシステムでも、一つのお薬手帳で過去の服用歴を一覧できる仕組みを構築していくことを掲げています。
そのために、データフォーマットの統一化などの整備を図る方針です。
●患者のための薬局ビジョン推進事業
平成28年度においては、以下を事業を実施予定とされています。
1.患者のための薬局ビジョン実現に資する
かかりつけ薬剤師・薬局機能の強化のためのテーマ別のモデル事業
<事業テーマ>
○ 地域全体のかかりつけ薬剤師・薬局機能強化のための連携推進事業
○ 多職種連携による薬局の在宅医療サービスの推進事業
○ 電子版お薬手帳を活用した地域の先進的な健康サポート推進事業
○ 薬局・薬剤師によるアウトリーチ型健康サポート推進事業
2.患者のための薬局ビジョン実現のための実態調査・ロードマップ検討事業
特に気になるのは、医薬分業の質を図る政策評価(業績評価)指標の例が例示され、「疑義紹介率」などの具体的な指標が出てきた点です。
これらが本質的に医薬分業の質を推し量る指標になるのか、疑問に感じるところであります。
((株)ネグジット総研 経営コンサルティング部 津留隆幸)
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