「デキル薬局長(管理薬剤師)への道」第12回目の記事です。
通常「処方監査」を行った後に、「調剤(ピッキング)」をされるでしょう。
今回は「調剤(ピッキング)」の業務改善事例の中でも、特に過誤対策に関する内容をご紹介いたします。
【事例①】
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<改善事例項目>
規格の複数ある商品の調剤過誤
<【 改善前 】困っていたこと>
普段使わない規格のある商品の調剤過誤があった。
<【 改善後 】改善内容>
2剤以上規格のある商品を調べラベルを貼り、置いてある無いに関わらず規格を注意できるようにした。
<【 改善後 】改善内容>
規格が他にもあった商品を認識し注意喚起できるようになった。
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過誤が起こりうるリスクを事前に洗い出し、予防策を講じることは過誤対策において非常に重要な考え方です。
予め規格違いのある商品を洗い出すことに加えて、必ず確認をするよう業務の流れを組み替えることで、効率良く改善することができています。
ただし、新たな規格が発売された場合など、最新のデータを更新する作業を怠ると、確認漏れが発生してしまうことが懸念されます。
【事例②】
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<改善事例項目>
先発品と後発品との取り違え防止
<【 改善前 】困っていたこと>
先発品と後発品とを取り違えたり、在庫を戻すときに戻し間違えたりすることがあった。
<【 改善後 】改善内容>
医薬品の棚の医薬品名が書いてあるところに、黄色地に黒文字で「これは後発品です」と書いた札を、あえてピッキング時に手が触れるように配置した。
<【 改善後 】改善内容>
先発品と後発品の取り違え、戻し間違いがなくなり、調剤ミスのリスク回避に繋がっている。
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通常業務の中で、注意喚起・確認をフローに組み込む工夫が効果的な改善につながっています。
また、視覚的にも注意を促す「黒と黄」の配色を上手く使ったのもポイントでしょう。
【事例③】
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<改善事例項目>
調剤過誤防止対策
<【 改善前 】困っていたこと>
ジェネリック薬品の取り扱いが増えたことにより、薬品名の類似のために同効薬の取違いが増加した。
<【 改善後 】改善内容>
今までは黄色いテープを貼って注意喚起を促していたが、効果があまりなく中止。
かわりに薬の箱を切り取り貼ることにした。
薬のシートイメージと結びつくようで、取違いがかなり減った。
<【 改善後 】改善内容>
月に3件あった取違いが0になった
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一般的に注意喚起を表わす「黄色」のテープが効果があると思われがちですが、他のアプローチの方が効果がある場合もあるようです。
今回のケースでは、実施をした対策の効果検証を行い、別の施策を実施したことがポイントでしょう。
皆様の薬局で効果が現れるかは、実施してみなければわかりません。
一度試してみてから、効果検証をしてみてはいかがでしょうか。
次回は、その他の「調剤(ピッキング)」時における業務改善事例をご紹介いたします。
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