「デキル薬局長(管理薬剤師)への道」第11回目の記事です。
患者様から処方せんを受け取ってから、多くの薬局は次のステップとしてレセコンにデータ入力、そして処方鑑査をされるでしょう。
では、今回は「レセコン入力」「処方監査」時の業務改善事例をご紹介いたします。
【レセコン入力】
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<改善事例項目>
2次元コードの導入
<【 改善前 】困っていたこと>
入力の際にミスや時間がかかったりした。
<【 改善後 】改善内容>
投薬までスピーディーになりミスも減った。
<【 改善後 】改善内容>
待ち時間1分短縮。
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レセコン入力時における業務改善を行うポイントは、『入力速度』と『入力ミス発生率』です。
両者は個人のPCスキルに大きく依存する部分の為、システム導入などで、機械で代替化するのが非常に効果的です。
事例では、結果として待ち時間1分の効果があった為、一定の満足度向上が図られたと考えられるでしょう。
また、見方を変えると、患者対応に使われていた時間が1分間削減されたとも言えます。
たかが1分ですが、されど1分。
『塵も積もれば山となる』という言葉があるように、業務効率改善はこういった時間削減の積み重ね大事でしょう。
【処方鑑査①】
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<改善事例項目>
クリニック名、医師名の入力間違いの改善
<【 改善前 】困っていたこと>
うちの薬局は調剤事務、薬剤師の年齢が比較的若く経験が浅いため、クリニック名、医師名の間違いがとても多く、投薬までに時間がかかることの一因になっていました
<【 改善後 】改善内容>
うちは紙薬歴なのですが、調剤担当の薬剤師が処方監査を行う際に、クリニック名、薬剤師名が合っていれば、薬歴のその部分にチェック(レ点)を入れるという、ただそれだけのことをしただけです。しかし、これにより入力ミスを確実に見つけだすことができ、調剤中に入力の手直しを済ませることができるので、投薬までの時間を比較的延ばさずに済むようになりました。
<【 改善後 】改善内容>
調剤・鑑査の一連の時間が1~2分短縮できました。そして患者様に入力間違いの謝罪に対応する時間の軽減(1か月で1時間くらい)が図れました
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ミス発生頻度が高いポイントはどこかを、しっかりと特定できていたからこそ、一つの工夫だけで劇的な効果が現れたのではないでしょうか。
ミス発生頻度が高いポイントは早期にチェックを行うことで、後工程の時間短縮を図るという考え方は、他の場面でも応用できます。
自店のミス発生頻度の高いポイントはどこか、一度振り返って見てはいかがでしょうか。
【処方鑑査②】
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<改善事例項目>
散剤の用量
<【 改善前 】困っていたこと>
散剤の用量に関して応援の薬剤師が処方監査するのが時間がかかっていた。
<【 改善後 】改善内容>
それぞれの薬瓶に用量、禁忌等を記載したシールをはり処方監査を簡易にできるようにした。
<【 改善後 】改善内容>
1回あたり1分くらいの短縮
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複数店舗で運営されている薬局チェーンでは、少なからずそれぞれの薬局固有のやり方や注意すべき点があるのではないかと思います。
応援に来られた方は、そういった店舗の環境に合わせて業務を行わなければならず、いつも同じ店舗で勤務している方より時間がかかるのは否めません。
同じ店舗で勤務している方では意識していない部分で時間を費やしているかもしれません。
一度様子を観察をしてみたり、直接時間がかかっている部分を聞いてみて改善項目を抽出するのも良い視点でしょう。
このように、改善の視点は様々ございます。
ぜひ参考にして業務改善をすすめていただければと思います。
次回は、「調剤(ピッキング)」時における業務改善事例をご紹介いたします。
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