薬剤師調査MMPR

Column : 連載コラム

掲載日:2017/10/25

vol.67 遠隔診療について

遠隔診療について


2017年7月14日、厚生労働省は「情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」について)」と題する通知を、医政局長名で各都道府県知事宛に発出しました。厚生労働省は、「平成9年遠隔診療通知」というものを出していましたが、その当時の道具はテレビ画像。今回の通知で、遠隔診療だけで完結する禁煙外来や、遠隔診療における電子メールやソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の利用が可能であることを再度周知、明確化しました。


今回の通知で、


 1)遠隔診療の適用が可能な対象を、平成9年遠隔診療通知で例示した「離島やへき地の患者」に限定しないこと

 2)遠隔診療の適用疾患や診療内容を、平成9年遠隔診療通知で例示した9種類

  (在宅酸素療法、難病、糖尿病、喘息、高血圧、アトピー性皮膚炎、褥瘡、脳血管障害、がん患者)に限定しないこと

 3)対面診療と適切に組み合せて行われるのであれば、初診を遠隔診療とすることも可能であること


などを明確化しました。


 現在オンライン診療は一部のクリニック等で行われていますが、診療報酬上、再診料と処方箋料しかとれず、先進的なドクターの所で実施されているという状況です。ただし、2017年4月の第7回未来投資会議において安部首相が、「病気になった時、重症化を防ぎ回復を早めるため、かかりつけ医による継続的な経過観察が大切であります。対面診療とオンラインでの遠隔診療を組み合わせれば、これを無理なく効果的に受けられるようになります。こうした新しい医療を次の診療報酬改定でしっかり評価いたします。」と言ったことにより、弾みがついています。仕事や子育てで忙しく医療機関を訪れる時間をなかなか確保できないビジネスパーソンや主婦、専門の医療機関が近隣にない地域の高齢者や難病患者などに、受診スタイルの新たな選択肢を提供する遠隔診療ですが、これら一連の動きは、その普及に向けた一歩が刻まれたことを意味します。


 オンライン診療の対象になっている疾患をあげると、内科系でいうと高血圧、糖尿病、高尿酸血症、脂質異常症、消化器内科系で言うと逆流性食道炎、慢性胃炎、過敏性腸症候群、呼吸器系でいうとCOPD、喘息、睡眠時無呼吸症候群、ニコチン依存症、神経内科でいうとてんかんや片頭痛、アレルギー疾患でいうとアレルギー性鼻炎、皮膚科でいうとアトピー性皮膚炎、白癬、男性脱毛症、泌尿器科形でいうと過活動膀胱、前立腺肥大、勃起不全、精神科系でいうとパニック障害、婦人科系でいうとピルの処方などがあげられます。これらはいずれも薬物療法に依存する疾患です。


 現在は、薬局が遅れていて、処方箋はドクターが患者に郵送して、患者が家の近くの薬局で受け取るという形態をとっています。電子処方箋も最初は電子処方箋引換証という紙を渡す形態ですので遠隔診療に追いついていません。特区での遠隔服薬指導についてもまだ1軒も進んでいません。今後はそういう議論もしていかななければならないのですが、薬局も立地ではなく機能へという時代に突入していきます。

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