薬剤師調査MMPR

Column : 連載コラム

掲載日:2015/02/25

vol.54 薬歴未記載問題に思う



 朝日新聞の薬局の薬歴未記載報道に始まり、薬歴未記載に関する問題が医療業界を騒がしています。

当所では薬歴研修や薬歴の通信添削を行っている関係上、薬歴には思い入れがあります。


 私は薬歴のない時代から保険調剤を行っていました。

薬歴に点数がついた当時はとても画期的でした。

その頃はコンピュータもなく、手書きの英スペルの処方箋でした。

薬歴に前回処方内容を残しておくだけでも、前回処方との違いを確認することが出来、服薬支援に有効活用できました。

一番ありがたく感じたのは、医師の処方ミスをチェックすることができたことでした。

薬歴がなければ医師の処方通りに調剤して渡していたと思うと、とても怖くなりました。


 時代は変遷し、日本にアメリカで考案されたPOSという考え方が導入されました。

今度は私が病院に勤務していた時代です。

POSの導入は医師のほうが早く、その後看護師に取り入れられました。

カルテを共有しチーム医療を推進するためには病院薬剤師も同じ思考回路が必要と思いPOSに取り組みました。

POSは考え方のプロセスであり、決して書き方ではありません。

そして私が薬局薬剤師の研修に携わる頃には調剤報酬の薬歴の算定要件が、POSの考え方に近づいて行きました。

日本の薬剤師にPOSの考え方が浸透し始めて約20年になります。

わりと早くに浸透していったなと、20年経った今そう思うのですが、それは報酬がついたからだと思います。

研修ではよく、「私達はPOSのお勉強をしながら報酬をもらっているのよ。ありがたいと思わなくては。」と話します。 


 最近の新人研修や薬歴の添削をしていて思うことは、そのPOSという基本概念がないままに、思考回路をSOAP回転せず、ただ義務だからと書いたり、入力したりする薬剤師が増えてきているのでは?ということです。

もちろん毎日思考をSOAP回転して患者さんのためにがんばっておられる薬剤師のかたも多くいらっしゃると思うのですが、やっとSOAPの概念が根付いたなと思った矢先の薬歴未記載問題表出で、とても残念に思います。

薬歴は書いて残すものではなく利用するものという概念がないと、今後も同じことは起こりうると思います。

電子薬歴も普及してきましたが、薬歴の本来の意味がわからず、会社が機械を導入(極端な例では端末1台だけ導入)しただけの電子化では薬歴の目的は達成しえないと思います。







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