薬剤師調査MMPR

Column : 連載コラム

掲載日:2013/11/19

vol.42 医薬分業バッシングを考える

医薬分業バッシングをいたるところで耳にします。
5万4千軒も薬局があれば、その営みは様々だろうと思います。ドイツの話は事あるごとにしていますが、ドイツに行ってつくづく感じることは、1240年から続く医薬分業の歴史です。日本の医薬分業が進展してきたのは平成になってからであり、政府主導の医薬分業でした。街には地域に根ざしたコミュニティファーマシーがありましたが、実際には病院の中にあった調剤室が病院の外に出たという場所の移動であり、門前薬局、マンツーマン薬局と言われる所以です。

私の経歴もまさにそれで、30数年前になりますが、最初の入職先は九州大学附属病院の同一敷地内にある(病院の調剤室の横にある)保険薬局でした。調剤行為は病院の調剤室と何一つ変わりません。ただ違うのは患者さんにとっては処方の公開、薬局にとっては調剤報酬算定、レセプト請求業務でしょうか。服薬指導も薬歴管理もなく、処方箋調剤を行って薬を渡すだけでした。その後、その薬局は病院の敷地内から病院の門前に移動しました。そしてようやく病院の調剤室とちょっと違う業務が始まりました。服薬指導(昭和58年投薬特別指導料1ヶ月につき100円)と薬歴管理(昭和61年薬剤服用歴管理指導料受付1回につき50円)です。最初は微々たる報酬でしたが、調剤報酬の変遷により今では皆さん御存知の通り両方合わせて410円になっています。

確かに今の保険薬局は病院の調剤室とは違う業務をしていますが、それは調剤に関することだけであり、本来の薬局・薬剤師の役割を果たしているかといえば「?」がつきます。
ドイツには薬局法という薬局に関する法律があり、薬局法の第1条は、「薬局は、公共の利益において、国民のために秩序正しく医薬品を供給することを義務付けられるものとする」であり、薬局で販売できる物品も規定されています。日本にはそれに当たるものがありません。あるのは薬剤師法と薬事法です。

薬剤師法では薬剤師の任務が規定されています。「薬剤師の任務は、調剤、医薬品の供給その他の薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする」。薬事法はいわゆる警察法と言われるもので、取締を重視したものです。薬事法による薬局の規定は、薬局の許可、許可の基準、名称の使用制限、薬局の管理、管理者の義務、薬局開設者による薬局に関する情報の提供等、薬局開設者の遵守事項、薬剤を販売する場合等における情報提供、薬局における掲示、休廃止の届出、政令への委任です。どこにも任務は謳われていません。

700数年に及ぶドイツの医薬分業の歴史に比べると日本の医薬分業の進展はまだ20数年、豆粒のようなものです。しかしながら分業率が70%に届きそうな今、薬局の社会的役割を考える時期にきているのではないでしょうか。

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