薬剤師調査MMPR

Column : 連載コラム

掲載日:2012/06/29

vol.31 ドイツ高齢者施設での薬の供給体制

6月にドイツ薬学視察旅行に行って来ました。今回は昨年と違う高齢者施設に行って来ました。
その施設の薬の供給体制について紹介します。

今回はハイデルベルクの町中にある教会付属の高齢者施設を訪問しました。ドイツは介護保険が始まる前から教会付属の高齢者施設があり、そこでは宗教に関係なく高齢者の受け入れを行なってきました。もっと遡れば修道院が薬草を育て、病める人々に施薬を行なってきた歴史があります。

ドイツには教会税という税があります。これは所得税の10%ほどで、カトリック、プロテスタントの教会のどちらかに属している以上、必ず税金として納めることになっています。この制度は中世からあるもので、ドイツでは1928年頃より税務署を通じて教会に納税する制度が始まりました。税務署はこの税金を、所管地区の教会員数に比例して、各教会に分配します。ドイツの教会は地方公共団体なみの強い経済的基盤を持ち(お金持ち)、高齢者介護も引き受けています。教会ボランティアもたくさんいて、高齢者介護にあたっています。

ドイツ
以前も高齢者施設の薬の供給について紹介したのですが、薬局は薬の供給のみです。施設入所者にはそれぞれかかりつけ医がいます。かかりつけ医から発行された処方せんの薬を、施設と契約した薬局(視察先では4ヶ月ごとの持ち回りで3軒の薬局と契約)が届けます。ドイツの薬は箱のまま渡されますので、箱に入った薬は介護福祉士のステーションで管理され、この施設では個人ごとに薬杯にセットされていました。セットするのは3年間の教育を受けた介護福祉士です。

日本と違い、ドイツの高齢者介護を支えているもののひとつに教会があることがわかりました。そして、ドイツの薬剤師は、介護は介護福祉士がやるもとして、薬局が関わることは全くの想定外のようです。それは服用医薬品数が少ないことも一因だと思います。

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